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CPSセンター代表
君嶋祐子

サイバーフィジカル・サステナビリティ・センター(CPSセンター)は、2023年1月に慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)内のスタートアップセンターとして設置され、同年4月より本センターとして活動しています。


CPSセンターは、JSTムーンショット型研究開発事業、JPMJMS2215の支援を受け、同開発プログラム目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」におけるプロジェクト「アバターを安全かつ信頼して利用できる社会の実現」で、研究開発課題「サイバネティックアバター(CA)*の知的財産保護及び社会的・政策的展開」の一環として、サイバーフィジカル空間を通貫して持続可能な社会システムと法政策について研究拠点を形成するために、設置されました。


人類の長い歴史の中で作られたフィジカル空間における社会システムと法は、技術の発達とともに、サイバー空間においてその普遍性を問われ、場合によっては変容を迫られています。技術の発達を歓迎する人々は、社会や法の変革を望む傾向が強い一方で、従前のシステムや価値観を重視し、変化を望まない人々は、そのような変革に危機感や拒否反応を示すことも多くあります。先端技術が開発されても、それを用いた生活を望まず、かえって危機感を持つ人々が多ければ、開発された先端技術は社会で活かされないでしょう。


そのような価値観の二極化やサイバー空間とフィジカル空間での社会と法の分断を避け、個人がフィジカル空間で幸福に暮らしながら、サイバー空間における技術的社会的変革による豊かさ便利さを享受し、個々人の価値観や志向に応じた生活の仕方を選択できる社会を実現できれば、私たちの日常は、もっと楽しく豊かになるはずです。メタバースやCAなど新たな技術的社会的変革を一時の流行に終わらせず、それを取り込み改善しながら持続可能な社会システムと法を構築していくためには、技術の開発とともに、サイバーフィジカル空間を通貫して持続可能な価値観、社会システム及びその法政策を研究することが重要となります。


これをサイバーフィジカル・サステナビリティ(CPS)と称し、持続可能な開発目標をフィジカル空間だけでなくサイバー空間においても実現するための研究と、その成果の社会的受容のための活動を行っていくことが、CPSセンターの目的です。


*ここにいうサイバネティックアバター(CA)とは、個人や集団にサービスを提供するアバター(これを「ソシオCA」と呼ぶことがあります)であり、対話行動CA、体験共有CA,思い通り操作CAなどがあります。ムーンショット開発事業目標1においては、CAに関わるさまざまな技術や社会的信頼構築のためのシステムが研究開発されています。