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・登壇者:石尾智久(金沢大学)
・司会:斉藤邦史(慶應義塾大学)
近年、デジタル技術の進展に伴って、自己の個人情報の利用について同意を与える場面が増加している。このような現代的事象のみならず、肖像の広告への利用といった従来から想定される場面も依然として存在する。これらの場面においては、本人が、事後的に同意を撤回したいと望むことも想定される。こうした問題について、日本の民法学は、同意が契約を構成するならば、契約の拘束力の帰結として、その同意を撤回することができないと考えてきたように思われる。
これに対し、フランスの民法学の一部は、財産権と人格権を区別したうえで、法理論における人格権の固有性を探求しており、その一環として、同意の撤回の理論化を試みている。そこでは、著作権法における議論を参照しながら、人格的価値の保護という視点を民法理論に反映させるというダイナミックな議論が展開されているのみならず、本人の保護と契約の相手方の保護という2つの相反する要請を調和させることも意識されている。
そこで、本ワークショップにおいては、フランスにおける議論の紹介および分析を踏まえて、日本における同意の撤回に関する基礎理論について考察したい。現代社会においては、個人情報等の利用に関する同意の重要性が増しており、法理論における人格的価値の位置づけが問われていることから、フランスにおける議論の分析には意義があると考えられる。
この研究会は、JSTムーンショット型研究開発事業JPMJMS2215の支援を受けています。
開催日時:2024年1月27日(土)15:00~17:00
会場 :Zoomウェビナー
対象 :どなたでもご参加いただけます ※要事前登録
言語 :日本語
主催 :慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート
サイバーフィジカル・サステナビリティ・センター
参加費 :無料
参加登録 :こちらから事前登録をお願いします
問い合わせ先:デジタル・アイデンティティ研究会
窓口担当者名:斉藤邦史
メールアドレス:saito-group@keio.jp